クズなキミからの不適切な溺愛
※※

俺はベーグルを食べた後、ちゃっかり彼女とLINE交換を済ませてから自宅まで送り届け、家に戻るととベッドに転がった。

彼女には言わなかったが色々と下半身の不都合で、朝方まで眠れなかった。瞼を閉じればすぐに寝てしまいそうだ。


「……夢じゃねぇよな」

俺はスマホに『光莉さん』で登録した彼女のビー玉のアイコンを見つめる。

俺がLINEを交換した際、このアイコンに釘付けになったことは言うまでもない。

(俺のこと……思い出してくんないかな)


いや、そんな可能性の低いことを考える前に彼女を振り向かせる方法の一つでも考えた方が現実的だろう。


──昨晩、酔って泣いている彼女を公園で見つけ、犬井と別れたと聞いた俺は一生に一度のチャンスだと思った。

ただ、新名さんに話したとおり自宅に連れ帰ることになるとは思っても見なかった。
でもタクシーを呼ぼうにも酩酊状態の彼女は住所が言えず、さらにはそのままベンチで寝ようとする始末。自宅に送ることは不可能と思った俺はやむおえず彼女をおんぶをして家に連れ帰ったのだ。

連れ帰ってからも俺の理性は、まだ保ったままだった。

しかしながらベッドに下ろした彼女から目に涙を浮かべながら、マグロだから抱けないのかと聞かれ、何とか宥めてベッドを離れようとしたが、そばにいてとばかりにジャケットの裾を握られた俺はついに理性が崩壊した。

そして俺は甘えてねだるようにキスをせがむ彼女に夢中になった。

──欲しい。それしかなかった。


「まぁ……結果的に未遂に終わって良かったけどな」


新名さんは他の女の子とは違う。

俺はとっくに好きだが、ちゃんと新名さんにも好きになって貰ってから互いの想いを確かめるための行為としてセックスをしたい。

俺がこんなことを考えてるなんて自分でも信じられないが、これが初恋を拗らせたクズの末路なんだろう。

「三か月か……」
< 32 / 218 >

この作品をシェア

pagetop