クズなキミからの不適切な溺愛
舌足らずな声に目をやると、美蘭が和馬に腕を絡めた状態で屋上に入ってくる。
「わざわざ昼休みに呼び出すとか、鍵くらいでありえないんだけど」
そう言いながら和馬が合鍵をこちらに投げて私はキャッチする。
「投げないでよ。あとなんで高梨さんも一緒なのよ」
美蘭は空いている方の人差し指を唇に持っていく。
「それは〜美蘭がお願いしたんですー。もう一度謝っておきたくて〜」
「別に必要ないわ」
「ほらな、光莉は可愛げのカケラもない女なんだから美蘭は気にしなくていいんだよ」
和馬が優しく美蘭の髪を撫でる。
「でも新名先輩にも披露宴来て欲しいし」
(──え?)
私がわずかに目を目開いたのを見ながら、美蘭が勝ち誇ったようにグロスの光る唇を三日月の形にする。
「──あたしたち結婚するんです」
「まだ日にちは決まってないんだけどね。来年あたりかな。光莉どうせ暇だと思うからどうぞ」
私はぐっと奥歯を噛み締めた。
(どれだけ私を馬鹿にすれば気が済むんだろう)
「是非是非お願いしまぁす。美蘭のせいで売れ残っちゃう可哀想な光莉先輩にー、少しでも幸せのお裾分け、しちゃいますねっ」
「そうだね。僕の仲居として二年も尽くしてくれたわけだし」
身体中が怒りで震える。
大人だからと我慢していたが汚い言葉で二人を罵りたくなってくる。
だけど同じ土俵に立って醜い人間にはなりたくない。
「……余計なお世話よ。そんな二股男こっちから願い下げだからっ」
その言葉に和馬が眉を釣り上げたのがわかった。
「はぁっ? 仲居のクセに調子に乗るなよ!」
「その呼び方やめてよ! 人の名前も覚えられない無能なわけ?!」
「誰が無能だって?!」
和馬が勢いよく片手を振り上げる。
(嘘、殴られる……っ)
私は咄嗟に身を屈めて目を瞑った──が、予想していた痛みはやってこない。
「──とんだクズですね」
(え? この声……)
「わざわざ昼休みに呼び出すとか、鍵くらいでありえないんだけど」
そう言いながら和馬が合鍵をこちらに投げて私はキャッチする。
「投げないでよ。あとなんで高梨さんも一緒なのよ」
美蘭は空いている方の人差し指を唇に持っていく。
「それは〜美蘭がお願いしたんですー。もう一度謝っておきたくて〜」
「別に必要ないわ」
「ほらな、光莉は可愛げのカケラもない女なんだから美蘭は気にしなくていいんだよ」
和馬が優しく美蘭の髪を撫でる。
「でも新名先輩にも披露宴来て欲しいし」
(──え?)
私がわずかに目を目開いたのを見ながら、美蘭が勝ち誇ったようにグロスの光る唇を三日月の形にする。
「──あたしたち結婚するんです」
「まだ日にちは決まってないんだけどね。来年あたりかな。光莉どうせ暇だと思うからどうぞ」
私はぐっと奥歯を噛み締めた。
(どれだけ私を馬鹿にすれば気が済むんだろう)
「是非是非お願いしまぁす。美蘭のせいで売れ残っちゃう可哀想な光莉先輩にー、少しでも幸せのお裾分け、しちゃいますねっ」
「そうだね。僕の仲居として二年も尽くしてくれたわけだし」
身体中が怒りで震える。
大人だからと我慢していたが汚い言葉で二人を罵りたくなってくる。
だけど同じ土俵に立って醜い人間にはなりたくない。
「……余計なお世話よ。そんな二股男こっちから願い下げだからっ」
その言葉に和馬が眉を釣り上げたのがわかった。
「はぁっ? 仲居のクセに調子に乗るなよ!」
「その呼び方やめてよ! 人の名前も覚えられない無能なわけ?!」
「誰が無能だって?!」
和馬が勢いよく片手を振り上げる。
(嘘、殴られる……っ)
私は咄嗟に身を屈めて目を瞑った──が、予想していた痛みはやってこない。
「──とんだクズですね」
(え? この声……)