クズなキミからの不適切な溺愛
「両親が亡くなる前は毎年家族で海に来ててね。浜辺で砂のお城を両親と作るのが大好きだった。でもね……砂のお城ってすぐ波に攫われちゃって跡形もなく消えていくから、それがいつも寂しかった……」

両親はある日、私が学校に行っている間に車で買い物に出かけた際、トラックと正面衝突して亡くなった。

当たり前のようにあった家族というお城はあとかたもなく消えて、私は一人残された。


「私ね、両親が死んだ時思ったんだ。もっと大好きとありがとうを伝えておけば良かったなって。ちゃんと言葉にしないと、何も伝わらないから」

私は吉良くんの目を見つめ返す。

綺麗なアーモンド型の目は、私の心臓の音をすぐに大きくする。

「私……吉良くんが好きだよ」

「え?」

「その、吉良くんが想ってくれている程、負けてないか聞かれたら自信はないんだけ……っ」


言葉を言い終わる前に私は彼に抱きしめれる。

「すっげぇ……嬉しい」

「吉良、くん?」

「ゆっくりでいいです。沢山好きじゃなくていい。ただ、俺と一緒にいて」


私が静かに頷けば、彼の大きな手のひらが伸びてくる。
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