クズなキミからの不適切な溺愛
「……吉良、くん」
「痛っ、吉良! お前、この僕に暴力奮ってタダで済むと思ってないよね?!」
和馬がすぐに吉良くんの胸ぐらを掴むが彼は眉ひとつ動かさない。
「正当防衛ですよ。犬井さんこそ、こんな写真撮られてタダで済むと思ってないですよね?」
吉良くんはあっという間に掴まれている手を払い除けると、スマホを和馬に向けた。
「撮ったのかよ。えっと、それは……ちょっと光莉と話してただけだよ」
明らかに動揺を見せる和馬に吉良くんがふっと笑う。
「へぇ。俺には嫌がってる光莉さんを無理やりどうにかしようとしてるように見えましたが?」
「お、お前の見間違いだろ。それ消せよな」
「大事な証拠なんで消さない」
彼はさっとスマホをポケットに仕舞う。
すると奥歯を噛み締めていた和馬が何かを閃いたような顔をし、厭らしく笑った。
「あ。そう言えば僕の父さん、うちの会社の本部長と仲いいんだよなぁ。吉良だって会社クビとか左遷とか嫌だろ? 意味わかるよな、消したら黙っててやるから」
(!)
確か和馬は実家が果樹園を経営しており、父親が本部長と同級生だと聞いたことがあった。
(どうしよう。このままじゃ吉良くんが……)
私はすぐに二人の間に割って入る。