正宗先輩と初恋を拗らせる
Bed
「美桜マジ天才」
お皿を洗う私の横で、片付けのお手伝いをしながら
正宗先輩が言う。
もう3度は言ってる。
美味しく食べてもらえて私も嬉しい。
しかも、好きな人に褒められているのだから
嬉しさ増量キャンペーンだ。
ご飯を食べながら
お互い同じ映画を見ていた話題になり
Netflixで続編が出たと言うので
食後はソファで一緒に観た。
シリアスなシーンで急に物音がして
ビクッと肩を震わせると
笑って抱き寄せてくれた。
寄りかかると、正宗先輩の固くて厚い胸から鼓動が伝わり
安心感とはまた別の高揚が訪れた。
このあとのこと…意識し始めていたからかな。
映画が終わって、ほんのり緊張が顔を出すころ
時計は22時を過ぎていた。
「美桜、先風呂入る?」
聞き慣れたはずの低い声にドキッとした。
「ううん。お先にどうぞ」
「ん」
身体をずらすとスッと立ってバスルームへ消えた。
口数が少なく感じるのはお互い様かな?
1人きりのリビングは、なんだか落ち着かない。
立ったり座ったり、無駄にグルグルしたり、
TVをつけたり消したりしてるうちに
思ったより早く、正宗先輩がバスルームから出てきた。
「あっちにタオル置いてある。一応Tシャツも。」
冷蔵庫から缶ビールを取り出し、立ったまま
勢いよく流し込むとのどを鳴らして
プハーッと豪快にスッキリを極めていた。
本日、2度目の濡れた髪は、
相変わらず
色っぽさマシマシで
私は1人ドキドキ劇場。
ついこっそり目で追ってしまう。
「ん?なに?」
視線を感じた正宗先輩が近づいて
意地悪な王様の笑みを浮かべ見下ろす。
「一緒に入りたかった?」
お風呂上がりにドギマギしてる私に気づいて
わざと言ってる!もぉ!
何も答えずすり抜けると、手首を掴まれた。
「美桜?」
振り返ると、今度は急に心配そうな顔をしている。
私の一挙手一投足で、こんなに表情を変えるの?
それだけ、私を気にしているの?
愛しさと意地悪
相反する気持ちが、同時に湧くなんて初めて。
「一緒に入りたかったの?」
私は、ゆっくり瞬きをして首を傾げ
意地悪な女王様の笑みを浮かべて聞いた。
「ふっ。ばーか。」
意地悪な王様と女王様ごっこは
なかなか素直になれない。
大好きだから
お互いの大好きが見たい。
その攻防戦は、子どもじみてるけど
ランドセルの頃に戻ったみたいで
楽しくもくすぐったくもある。
大人になっても続く
二人だけにしかわからない
二人だけのじゃれ合い。
楽しいな。
正宗先輩と過ごす時間が
かけがえのないものになっていく。
笑ってあっかんべーをしてから、
初めての夜へ向かう準備をしに
バスルームへ行った。
お皿を洗う私の横で、片付けのお手伝いをしながら
正宗先輩が言う。
もう3度は言ってる。
美味しく食べてもらえて私も嬉しい。
しかも、好きな人に褒められているのだから
嬉しさ増量キャンペーンだ。
ご飯を食べながら
お互い同じ映画を見ていた話題になり
Netflixで続編が出たと言うので
食後はソファで一緒に観た。
シリアスなシーンで急に物音がして
ビクッと肩を震わせると
笑って抱き寄せてくれた。
寄りかかると、正宗先輩の固くて厚い胸から鼓動が伝わり
安心感とはまた別の高揚が訪れた。
このあとのこと…意識し始めていたからかな。
映画が終わって、ほんのり緊張が顔を出すころ
時計は22時を過ぎていた。
「美桜、先風呂入る?」
聞き慣れたはずの低い声にドキッとした。
「ううん。お先にどうぞ」
「ん」
身体をずらすとスッと立ってバスルームへ消えた。
口数が少なく感じるのはお互い様かな?
1人きりのリビングは、なんだか落ち着かない。
立ったり座ったり、無駄にグルグルしたり、
TVをつけたり消したりしてるうちに
思ったより早く、正宗先輩がバスルームから出てきた。
「あっちにタオル置いてある。一応Tシャツも。」
冷蔵庫から缶ビールを取り出し、立ったまま
勢いよく流し込むとのどを鳴らして
プハーッと豪快にスッキリを極めていた。
本日、2度目の濡れた髪は、
相変わらず
色っぽさマシマシで
私は1人ドキドキ劇場。
ついこっそり目で追ってしまう。
「ん?なに?」
視線を感じた正宗先輩が近づいて
意地悪な王様の笑みを浮かべ見下ろす。
「一緒に入りたかった?」
お風呂上がりにドギマギしてる私に気づいて
わざと言ってる!もぉ!
何も答えずすり抜けると、手首を掴まれた。
「美桜?」
振り返ると、今度は急に心配そうな顔をしている。
私の一挙手一投足で、こんなに表情を変えるの?
それだけ、私を気にしているの?
愛しさと意地悪
相反する気持ちが、同時に湧くなんて初めて。
「一緒に入りたかったの?」
私は、ゆっくり瞬きをして首を傾げ
意地悪な女王様の笑みを浮かべて聞いた。
「ふっ。ばーか。」
意地悪な王様と女王様ごっこは
なかなか素直になれない。
大好きだから
お互いの大好きが見たい。
その攻防戦は、子どもじみてるけど
ランドセルの頃に戻ったみたいで
楽しくもくすぐったくもある。
大人になっても続く
二人だけにしかわからない
二人だけのじゃれ合い。
楽しいな。
正宗先輩と過ごす時間が
かけがえのないものになっていく。
笑ってあっかんべーをしてから、
初めての夜へ向かう準備をしに
バスルームへ行った。