家族になった来栖くんと。
お兄ちゃんは私の兄とは思えないくらい、エリート街道まっしぐら。
国立大学を卒業して司法試験に受かった末、今は弁護士をしている。
昔から理性的であり、冷静な判断で何度も両親の喧嘩を仲裁していた我が家のヒーローだ。
そんなお兄ちゃんがこれまでに見ないほど固い表情。
「では、誓いのキスを」
どうしてか私がドキドキしてくる。
兄のそういうシーンを見つめるのは、ちょっとだけ妹として複雑だったりする。
どうしよう、でもちゃんとカメラに撮っておかなくちゃ……。
カメラだけを向けて顔は通路を挟んで向かい側───なんて、見るべきじゃなかったんだ私は。
「っ!?きゃっ!あっ…!わっ…!」
思わずカメラを落としそうになり、静寂を切り裂いてしまった私の声。
「なにやってるのつぐみ…!」
「ごごごごごめんなさいっ!つい手が滑っちゃって…っ」