家族になった来栖くんと。




お兄ちゃんは私の兄とは思えないくらい、エリート街道まっしぐら。

国立大学を卒業して司法試験に受かった末、今は弁護士をしている。


昔から理性的であり、冷静な判断で何度も両親の喧嘩を仲裁していた我が家のヒーローだ。


そんなお兄ちゃんがこれまでに見ないほど固い表情。



「では、誓いのキスを」



どうしてか私がドキドキしてくる。

兄のそういうシーンを見つめるのは、ちょっとだけ妹として複雑だったりする。


どうしよう、でもちゃんとカメラに撮っておかなくちゃ……。


カメラだけを向けて顔は通路を挟んで向かい側───なんて、見るべきじゃなかったんだ私は。



「っ!?きゃっ!あっ…!わっ…!」



思わずカメラを落としそうになり、静寂を切り裂いてしまった私の声。



「なにやってるのつぐみ…!」


「ごごごごごめんなさいっ!つい手が滑っちゃって…っ」



< 11 / 337 >

この作品をシェア

pagetop