家族になった来栖くんと。




バチっと、合ったの。
合っちゃったの。

新婦側に立っていた見慣れないブレザー姿の男の子と。


私が見た頃にはもう、合わさった。


もう1度見てみると………すでに明後日の方向を見つめている来栖くん。



「…ふっ」


「ふふ」



新郎新婦は朗らかに笑って、兄はひとつ。

お嫁さんの頬っぺたに優しい誓いのキスを落とした。



「───相変わらず残念ってか、ドジ」



披露宴が行われる会場への、移動中。


まさかのまさか。

背後から静かに声をかけてきたのは元カレくん。



「えっ……」


「なんか、変わってなくて安心した」


「…来栖くんも変わってない…ね」


「…そーかな」



いじわるなところ。

なにを考えているのか、まったく分からないところ。


当時からそんなあなたを前にすると、私は怖くなって逃げたくなる。



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