家族になった来栖くんと。




「ねえ北斗〜、このあとどこ行くー?」


「あたしカフェいきた〜い!」



それから何十分、こうしていただろうか。



「………ごめん。俺ちょっと用事できたかも」


「え!?今日はないって言ってたじゃん!!」


「いまできた〜。じゃ、またね」



電柱に紛れるように突っ立ったままの私を通りすぎていった軍団。

背中が見えなくなる寸前で、その中から1人がUターンしてくる。


スタスタ歩いてきては、私の前。



「っ…!」



ついでのように引っぱられた腕。

駅とは反対方向に私を連れていくのは、最近転校してきたばかりだというのに私以上の存在感をたったの3秒で手に入れてしまったクラスメイト。


抵抗する間もなく、私はぼやける視界のなかで須和くんの思うままに歩くだけ。



「やっと覚えてきたよ、この街」



私でさえ知らない住宅地に入って、彼が足を止めたのは小さな公園だった。

とりあえずと言ったようにベンチに私を座らせると、須和くんは自動販売機で飲み物を2つ買って戻ってくる。



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