家族になった来栖くんと。




「つぐみちゃんよりも前から来栖くんだけを見て、来栖くんを好きだったのは私」


「………、」


「渡さない。来栖くんはぜったい、つぐみちゃんなんかに」



もう私の来栖くんじゃないよ。
ずっと、最初から、私のじゃなかったよ。

結局、そんな日は1度もなかった。



「ふたりは…、本当に付き合ってたの……?」


「…ふふ」



なにがおかしいの。

どうして笑っているの。



「ごめんね?ずっと別れろって思ってたし、あんたのことなんか大嫌いだった!」



別れてくれてありがとう!と、お礼を言われたような気分だった。

ここまで爽快に気持ちよさそうに笑われると、逆にスッキリもしてくる。


もしかすると来栖くんとふたりでずっと、私のことを嘲笑っていたのかもしれないね。

騙されつづける私を、馬鹿だなって、いつも。


ただ、そんな人じゃない。
彼はそんなことをするような人じゃない。


そう思ってしまう信頼に似た何かが、ここまでされても信じたい心が、虚しくて悔しいだけ。



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