家族になった来栖くんと。
「それでも私は諦めないから……!!」
ここで俺は、もっと強く釘をさしておけばよかったんだ。
俺が誰よりも大事にしている人間は白山 つぐみ、彼女以外は目にも入らないし興味もない。
そう、ちゃんと言うべきだった。
あんなふうに土台からじわじわと崩壊させられるくらいなら、俺はもう、クラス全員に堂々と言うべきだったんだ。
「私っ、やっぱり西高を受験する…!来栖くんと同じ高校…行きたい」
秋空の下。
冷えたこぶしをぎゅっと握って、自信がないなかでも俺に必死に伝えてくる白山さんが。
すごい、すげー、可愛くて。
「くっ、来栖くん…?」
名前で呼んでよ。
トーヤって言うんだけど、俺の名前。
女子も男子も許可してないのに呼んできてさ、ほんとは彼女の特権として白山さんだけに呼ばれたいってのに。
言えないかわりに、たまらなくなって抱きしめた。