家族になった来栖くんと。




「白山さん…さ。柔軟剤いいの使ってそう」


「へ…?」


「…スゲーいい匂いする」


「っ…、来栖くんの匂いも、すき」



どこを好きになったとか、いつ好きになったとか、ハッキリした感覚としては曖昧。

あまり人に惹かれない性格だったし、そもそも人に対して興味を抱かない冷めたところがある人間が俺だ。


けど、なんか白山さんは違った。


放っておけなくて、見ていて腹も立ったりして、なんでそんな不器用なの?って、気づけば言いたくもなるし。

それがいわゆる、俺にとって“惹かれる”ってことだったらしい。



「でも来栖くんのことは……もっと、だいすき」


「……ん。」



俺も。
俺もだよ白山さん。

いや………つぐみ。


てか、たぶん俺のほうが。


好きでもない女子に対してはあんなにハッキリ「意味わからない」「嫌い」とか、容赦なく言えてしまうのに。

本当に好きな子にはうまく言えないもんだなって、俺は初めて知った。



< 136 / 337 >

この作品をシェア

pagetop