家族になった来栖くんと。




「とりあえず食べてみなって。ほら、あーん」


「っ、そのっ、だいぶしんどいです…!申し訳ないですが帰りっ…、わっ、んむ…っ!」


「はい、おいしーね?」


「……おいひい、ひぇ」



甘いマスクには裏がある。
やさしい仮面を被った自己中さん。

と、最近の須和くんに貼りつけた私独自のレッテルだった。



「ごめんって。おねがい機嫌なおしてって。だってしょーがないじゃん、俺が君と行きたかったんだから」


「そっ、そういう問題じゃなくて…!」


「じゃ、どーいう問題?」


「それは…っ、……ううん、大丈夫、です」


「ふはっ。…照れちゃったー。かわいいね?」



スイーツビュッフェのあとは、とくに予定もなく寄り道。


下手したら彼は家まで着いてくるんじゃないかと思ったため、ぐるぐる遠回りだ。

月末とあってお小遣いも余裕ナシ。


………須和くんよ、あなたはいつまで着いてくるつもりだ。



< 144 / 337 >

この作品をシェア

pagetop