家族になった来栖くんと。




私にだけするんだろうなっていう、声とか。
私にだけ向けるんだろうなっていう、目とか。

須和くんは私で遊びすぎていると思う。



「困るって、なにが困るの?」


「…褒められるの、慣れてないの」


「…なら、それこそ俺が褒め称えるべきじゃんか」



────だめ?

私にしか聞こえないそんな問いかけが、私の心をぐらぐらと揺らしているのは事実だ。



「つぐみちゃんはかわいい。つぐみちゃんはえらい。…だれよりも頑張ってる」


「……、……っ、…うぅ…っ」


「…まだ第1条しか言ってないんだけどな」



ああ、わかった。
泣かせる天才だ、この人は私を。

簡単にいつも泣かせてくれるね、須和くんは。


そうだよ私、頑張ってるの。

いつもいつも頑張ってえらいんだよ。



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