家族になった来栖くんと。
鈍い音に吹き飛んだ片方と、吹き飛ばした片方。
私の声にならない悲鳴は、初めて味わった戦場のような空気感に耐えられず飲み込んでしまった。
「なにしてんだよ、クズ」
「…見たらわかんでしょ」
ぐいっと唇の横をぬぐった、元カレ。
固く握った自分のこぶしに今さら気づいた、クラスメイト。
そんなふたりがハッとしたように見つめた先に、全身をカタカタと小刻みに震わせた私がいる。
止まれ止まれと思うほど、どうしよう震えちゃう……。
「……最悪だ。…まちがえた」
「…やっば…。やっちゃった……」
彼らがぽつりと放った後悔は、おなじ温度で空気に溶ける。
それから放心状態の私の唇を少し荒く拭って、自信がなさそうに頬をそっと撫でて、「…そんな顔しなくてもだいじょーぶ」と、つぶやいて。
須和くんは私を最後まで見送った。
自己中すぎる、これは事故チュー。