家族になった来栖くんと。




ちがう、消してきたんだ。

唇に触れた、初めての柔らかさが。



「んぅ…っ、!」



こんなこと、いけないよ。
ダメだよ、こんなこと。

来栖くん、なにするの。


とっくに別れた元カノに、なにをしているの。


じわっと目尻に浮かぶ涙ごと急接近する彼を見つめれば、ぐっと寄った眉間が熱と何かを含んでいた。


そうだ。
この人って、必ず包み込むように触れてくるんだ。

けれどあの頃にはなかった激しさを持って、私のあたまを支えてくる。



「っは、」



強引に奪われた唇の隙間から彼の吐息があふれた瞬間、今度はまた引き剥がされた。

まばたきを忘れるほど、それは一瞬の出来事。


ドガッッ────!!!



「すわくっ、っ、来栖くん……!!」



< 153 / 337 >

この作品をシェア

pagetop