家族になった来栖くんと。
「ごめん…寧々ちゃん。ちょっと私、抜けるね」
「えっ、大丈夫?私も付き合おっか?」
「ううん。須和くんを応援してあげて」
盛り上がる体育館を抜けて、渡り廊下をまっすぐ進む。
抜けてはきたものの、どこへ行こう…。
保健室は体育祭でケガをした生徒たちでいっぱいだろうし、ふらふら彷徨っているわけにもいかない。
「そーいやリンカ、あんたユウジとは別れたんだっけ?」
「とっくに別れたよー。雰囲気悪くないから付き合ってみたけど、あいつ下手すぎ」
「えー?下手ってー?」
「キスすら下手で、まじドーテーかよって感じ。てかあたし、ちょっといま狙ってる子がいるんだよね」
向かい側から歩いてくる女子生徒の会話を聞いただけで、別世界だと悟る。
校則をボイコットしたスカート丈、リボンさえ外して解放されたワイシャツのボタンは胸元ギリギリ。
3年生の先輩で間違いないだろう。