家族になった来栖くんと。




「たぶんあれって嫌がらせだよ。つぐみちゃんにわざと告白させて、来栖くんの気持ちを確かめようとしてるんだと思う」


「…そうだよね」


「自分たちが来栖くんを狙ってるからって、そんなの最悪だよ」



嬉しかった気持ちは、すぐに消す。

うれしいと思ってしまったこの想いだけは、誰にも言うことができない。


体調が悪かったあの日、来栖くんはそんなことを先生に聞いてくれていただなんて…。


保健室に運ばれてきた給食が冷めていたのだって、今なら美味しかったと言い換えることが簡単にできてしまう。



「ね~、だれかピアノできる人いなーい?これ決まらないと帰れないよ!」


「んなの先生に任せりゃいいじゃん」


「どのクラスも生徒が伴奏してるの。そうじゃなかった場合は入賞できるポイントが下がっちゃう」


「はー?そんなの無理ゲーだろ」



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