家族になった来栖くんと。
どうしようどうしようと、ギリギリまで葛藤していた。
黒板の前、学級委員長は立候補者を見つけることに諦めていない。
来月の文化祭で発表する、クラス合唱。
指揮者はすぐに決まったものの、伴奏者選びに時間を取られていた。
「山口ちゃん、できない?たしか小学校でピアノ習ってたよね?」
「ごめん。部活忙しいし、練習してる暇ないかも」
「そっか…。じゃあ帰宅部の人でピアノ経験者!いるでしょ絶対!」
帰宅部で、ピアノ経験者。
両方当てはまってしまっている私は、クラスメイトたちを救うために覚悟を決めた。
「あ、あの……私、」
「わかった!やるよ伴奏!」
「マジ!?ナイス山口っ!!」
「あっりがと山口ちゃん!これで決まり!
…ん?白山さん、なんか言った?」
「え?白山さん?」と、誰かがハッキリと言う。
しっかり者の学級委員長は答えてしまうので、そうなると私にみんなが注目だ。