家族になった来栖くんと。
あのね、来栖くん。
それこそずっと一緒に居られるなんて思っていなかったけれど、できることなら居たいと思ってたんだ。
「…ありがと。高校入ったら堂々とできると思うから」
「……うん」
「前は…ごめん。ビョーキって、あの表現は良くなかった」
なんのことだろう…?
都合よくできている私の脳内には、すでにその言葉など残っていなかった。
「白山さん…さ。柔軟剤いいの使ってそう」
「へ…?」
「…スゲーいい匂いする」
「っ…、来栖くんの匂いも、すき」
これが、最初で最後。
私の初恋はとても短いものだった。
結局私は、彼とちがう高校を選んだ。
今ならわかる。
いちばん信じなくちゃいけない人を信じなかったのは私。
彼を傷つけたのは、紛れもなく私。
─────……逃げたんだ、私が。