家族になった来栖くんと。




そっと繋がれていた手。

告白という告白はなかったけれど、さっきの言葉が告白だと言っていいなら、そうだと思いたい。


この日、初恋は叶うものだと知った。



「私っ、やっぱり西高を受験する…!」


「え」


「来栖くんと同じ高校…行きたい」



誰にも見つからないように、こっそり。

私たちの時間はそんなものだった。


クラスメイトにも、先生にも、誰にも見られないように。


お互い面倒なことになるって分かっていたし、私はそれでも良かった。

ふたりの時間があるだけで幸せだったから。



「…北高より偏差値、ちょっと高めかもよ」


「うん。頑張って勉強する…」


「……白山さん」


「っ……!」



初めて抱きしめられた。

半分寄りかかるような形で、ぎこちなくて、触れているのかも分からない絶妙さで。



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