家族になった来栖くんと。




こう見えて口は固いんだ。

どんなことを言われたってもう驚かないし、俺だって今本音で話したんだからと、逆に弱みを握るつもりで聞いてあげることもできる。



「恨む?ないない!なんで恨む必要があんのよ!むしろつぐみには感謝しかないよ」


「感謝…?」


「…うん。だって私は、つぐみのおかげで本当に誰かに恋する気持ちを教えてもらったからね。つぐみのことだけを考えて、つぐみのことしか目に入らない須和。そんなあんたを好きになったんだもん、私は」



綺麗事のようにも聞いていた。

さすがにそこまで言わなくても神様は怒らないでしょ?なんて、からかってやりたくもなる。


………だって俺はそこまで強くなれないから。



「…まったく。みんな揃っておめでたいや」


「…どーいう意味よ」


「ふっ。だって、なんかに載ってそうな名言でも並べられてんのかと思ったじゃん」



腹が立つ。

原 寧々の言葉は、俺の心の汚さを遠い言い回しで指摘してきたような、そんなものに聞こえて仕方がなかった。


俺だってそんなふうに考えられたらって、何度も何度も何度も思ったさ。



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