家族になった来栖くんと。




「俺、つぐみちゃんとキスとかしてるよ?」



そんな最低なことを言った。

恨まないなんて無理だ。
ほら嫉妬しないなんて、できっこないだろ?


抱きしめるし手だって繋ぐし、ふつーに欲情するよ?


普通のカップルがしていることを当たり前のように───ここまで説明すれば嫌がるだろうとわざわざ並べた俺は、最悪だ。



「そんなの……とっくに覚悟のうちだっつーの」



彼女は、せつなく微笑んだ。

俺がどんなに八つ当たりのように攻撃したとしても、たぶん、その顔をずっと作り続けて受け止めるんだろう。


ああ……、やってしまったと、後悔だ。



「じゃあ…俺が近いうちつぐみちゃんに振られたらさ。…原は俺を慰めてくれる?」



俺はチャラくない。

都合のいい関係とかだって、今まで1度も作ったことないし。

ちゃんと付き合うし、ちゃんと振るし、ちゃんと友達にもなる。


少なくともそういう生き方をしてきた。


だからこそ、この提案だけは人生初。



「俺のことが好きなら…そーいう都合いい使い方。してもいいってことだろ?」



やめろって、言ってよ。

そこを肯定されたら、つぐみちゃんも絶対に悲しむから。



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