家族になった来栖くんと。




「彼氏がいる子に手ぇ出して、今だってこんなことして……もっと揺れて揺れて、俺のとこに戻ってくればいいって思ってるから」


「っ……ごめんね…、ごめん、来栖くん…っ」



今の私に、あなたの手を再び掴むことは……できそうにない。



「…いーんだよ。白山さんが幸せなら…、笑ってんなら、ほんとにいい」



ケジメって、あるんだ。

もっと信念を持たなくちゃダメ。
決めたなら裏切っちゃダメ。


私たちはお別れしているけれど、北斗くんと私はお別れしていない。

未来はどうなるか分からないから、この先別れるかもしれない。

それは誰にも決められない。


でも、でもね、「来栖くんがいるから」を前提にしたお別れだけは、ぜったいに人としてやっちゃいけない。



「…ご飯、炊けるまでアイス食べよ。白山さん」



ゆっくり身体は離れて、お互いに初めて見せる顔でほほえみ合う。



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