家族になった来栖くんと。
「なんだったら北斗も呼んでいーし」
「……えっ!?」
「一応3合、炊いておいた」
試しに電話をかけてみた。
嘘はもうつきたくなかったから、来栖くんのお家でオムライスを一緒に作っていることをきちんと報告して。
『…ふっ。なにそれ超平和。でもごめん、茶太郎と遊ばなくちゃだから俺』
その声は、今まで私の顔色だけを伺っていたような彼のものには聞こえなかった。
私に嫌気がさした声でもなく、ただ、もう、期待はしていない声なのだと。
「あっ、そのイヤホン…!えっ、箱から出してないの?」
「…まだ使ってもないよ」
「使ってないの…!?もしかして気に入らなかった…?」
「ちがう。いつか壊れると思ったら…使えなかった」
「…そんなこと言ったら来栖くん、なにもできないよ?」
「黙って。…レシートとかチケット残してる人に言われたくない」
「そっ、それは思い出を大事にしてるだけなの…!」
いつかの私には。
自分の成長のためにどちらも選ばない選択が、あるような気がした。