家族になった来栖くんと。
「すごく楽しかったよ。俺…、ここまで1人の女の子に必死になったの、初めてだった」
「っ…、須和くん、」
「…うん。月曜からは友達。俺は人気者の転校生で、つぐみちゃんは大人しいクラスメイトだ」
もう定着しちゃったからせめて名前では呼ばせてほしいと、眉を下げて微笑んだ須和くん。
北斗くん。
そう呼ぶことが、私は単純に好きだった。
けれど呼んでいて落ち着くのは、どうしても“須和くん”なんだ。
「振られるのは俺のつもりだったんだけど…、つぐみちゃん全然振ってくれないからさ。このまま曖昧なまま続けていく自信は……俺にはなかった」
だから俺がきみを振ります───と、しっかり宣言された。
「私…、須和くんに好きになってもらえて……うれしかった…」
「…うん」
「ドキドキして、ワクワクして…、初めていっぱいだった…よ」
「…俺もだよ」
「ごめんね…、彼女らしいこと、ひとつもできなかった……っ」
そこで「つぐみちゃん」と、私の落ちかかっていた視線がクイッと上げられた。