家族になった来栖くんと。




寧々ちゃん。
私ね、須和くんに振られちゃったよ。

今まで私の一風変わった恋愛話ばかり聞かせちゃってたから、今度は寧々ちゃんのお話も聞きたいな。



「ね…覚えてる?俺と付き合ったら絶対いいよの、3箇条」



覚えてるよ。

第1条、めちゃくちゃ可愛くなる。
第2条、ぜったい幸せにしてくれる。


本当にそのとおりだった。



「これが最後の3つ目。───…終わるときは誰よりも潔いこと」



もう、笑えばいいのか泣けばいいのか分からないよ。

悲しいだけじゃない。
切ないだけじゃない。


こんなお別れもあるんだって、また教えてもらっちゃったね。



「須和くん、私……強くなりたい」


「…強く?どんなふうに?」


「自分の心に…正直に生きられるように。自信を持って、堂々と胸を張って……、あ、歩ける、よう……に…」


「いやもうこの時点で消えそうじゃん。もっと声張って、はい簡潔にもう1回どーぞ?」


「えっ、えっとっ、スーパーマンになります……!!」


「…えいえい?」


「おっ、おーーー!!」



もう泣かないよ。
ちょっとやそっとのことで、泣かない。

あなたに隠してもらわなくてもいい女の子に、必ずなってみせるから。



「……よし」



両方を選ばなかった。

それは逆を取れば、両方に選ばれなかった、とも言う。


高校2年生、10月。


私の心はその選択をして、とても満ちていた。



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