家族になった来栖くんと。




涼さんのご飯は家庭的で、丁寧で、とても温かい。


お母さんはちょっとだけ形にこだわるところがあるから、ローストビーフだとかビーフシチューだとか。

豚肉より牛肉を使うことが多くて。


豚肉のほうが温かい感じがするなあ…って、なんとも私らしい感想ひとつ。



「あの、涼さん…」


「ん…?どうしたの?」



兄が結婚をして早いもので1ヶ月。

クリスマスは過ぎて、あっという間に年も越えた。


何事も無かったようにキッチンに立つ義理の姉へと、恐る恐る声をかけてみる。



「なにか…ありましたか?お兄ちゃんには言いません。ごめんなさいっ、朝の電話……ちょっとだけ聞こえちゃって…」



フライパンを持った彼女が困ったように眉を下げた。


彼に何かがあったんじゃないか。

涼さんの家で、涼さんの弟くんの身に、危ないことが。


私の心配はそこが大きいだなんて、ぜったい言えない……。



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