家族になった来栖くんと。




「…事実としてあなたの娘は罪もない他校の生徒を、歩道橋から突き落としたんです。下手したら事件ですよ。そこに家庭の事情は関係ないでしょ。もしそれでも家庭どうこうって言うなら……あなたのせいですよ」



本当は安口を堂々と責めたい。

俺は何度こいつに迷惑をかけられたか分からない。


大人から見ればくだらないことなのかもしれないけど、その理論で言っていいなら俺にとってもあんたらの言い合いはくだらない。


だからこそ俺はそのなかでもせめて、子供側に立つことを今、選んだんだ。



「親なら、そこまで子供を叱る親だって言うんなら……まずは“本当にうちの娘がやったのか”って言葉くらい出してやれよ」



瞳を大きく開いたのは、安口。

その隣にいる父親に向かって俺は今、正面から突き刺したのだ。



「あんただけでも、まずは娘の味方にならなきゃダメだろ」



たとえ間違っていたとしても。

自分の固定観念で勝手に決めつけるんじゃなく、まずは娘の気持ちを最優先に聞くことが親として取るべき行動じゃないのか。



< 319 / 337 >

この作品をシェア

pagetop