家族になった来栖くんと。




担任があいだに入って止めようとするが、安口の父親と思われる男は止まらなかった。


………そうか。

安口の家は、父子家庭だった。



「こんな親なんだからッ、子供だってこうなるのよ…!!蛙の子は蛙!!悪いのは……こんな子供を生んだこいつだよ!!」


「なに生意気なことを…!誰がここまで育ててやったと思ってるんだッ」


「殴ればいーでしょ!?気にくわないことがあれば昔から私に当たって…ッ、ほらほら先生の前でも殴ればいいじゃない!!いつもみたいに…!!」



………もう、いーよ。

もうやめろって。



「っ、おまえのその態度が俺の仕事や生活に影響を出してんのが分からねェのか…!!」


「そんなの酒とギャンブルに溺れてさッ、ろくに稼ぎがないからお母さんに逃げられただけっ、」


「────黙れっつってんだよ!!!」



騒ぎは俺の怒号に静まった。

こう見るとよく似ている親子ふたりして、俺を捉えてくる。


こんな親子喧嘩を聞いてる暇なんかないんだよ。

現に今、あんたらのいざこざの延長で病院に運ばれた俺の大切なひとがいる。


俺からすれば、どーだっていいんだよあんたら親子の事情なんか。



< 318 / 337 >

この作品をシェア

pagetop