家族になった来栖くんと。
大切な同級生の、ひとり。
彼女が言われたかった言葉はこれじゃないのかと、俺は何となく分かっていた。
誰かに必要とされたくて、自分の立場を認めて欲しくて、「安口 渚」という1人の存在として見てほしかった。
誰にでもいいから、ちゃんと見てほしかったんだよ。
その場に崩れ落ちる安口を見てから、俺はスマホに記録された録音を削除してすぐに学校を出て、ただ地面を蹴った。
「姉さん…!白山さんは…っ」
北斗、姉さん、義兄。
思っていたほどメッセージや電話はなかったが、俺は真っ先に姉にかけて運ばれた病院だけを聞いた。
意識があるのか、ないのか。
怪我の状態も、なにも聞いていない。
「白山さん…?ああ、白山さんでしたら303号室に───」
受付さえ早送りして、息切れしながらも俺は院内の階段を駆け上る。
生きてるでしょ。
死んでないでしょ、白山さん。
たくさん伝えたいこと、あるんだよ。
中学3年のたった3ヶ月間だけ付き合った俺たちだけど、実際は出会った頃から俺は気になっていた。
中学1年で出会って、正しくはそこからだ。
つまり5年は想ってんだよ俺。