家族になった来栖くんと。
おなじ大学を卒業して、それぞれ就職して、同棲を始めて1年と少し。
変わらない愛は、気づけば8年目に突入だ。
「…義兄さんのプロポーズ、どんなだったか知ってる?」
結婚というものに絆されたのか、珍しくこんなことを聞いてくる。
「お兄ちゃんの…?そういえば涼さんからも聞いたことない気がする」
「ふっ。だいぶ面白いよ」
10歳離れた兄は今年で、結婚してちょうど10年目を迎えた。
夫婦仲は相変わらず良好。
義姉にもよくしてもらっているし、また来週にでも実家に顔を出そう。
なにより可愛すぎる甥っ子たちに会いたい。
脳内で予定を立てながら、いちばんライトアップが綺麗なシーサイドデッキで足を止める。
「なんだろ?お兄ちゃんのことだから…、たぶん景色が一望できるビルの最上階で、形式にこだわったガッチガチのプロポーズとかなんじゃない?」
「だと思うでしょ。それがさ、行きつけの居酒屋らしい」
「……えっ?」
ここで私は驚きにつられて、つい振り返った。