家族になった来栖くんと。
「つぐみ」
もう1度呼ばれて、ポケットから取り出された小箱。
震える手で受け取ってパカっと開くと、そこには控えめながらもしっかりとリングに埋め込まれたダイヤモンドが目に入る。
「わ……きれい…」
相変わらず好きだね、私の頬を撫でてくるの。
そっか、友人に先を越されたからってだけじゃなくて。
一世一代の今が待ち受けていたことにあなたはずっと緊張していたんだ……。
「お料理…、知ってると思うけど普通のものしか作れないよ……?」
「昔よりはマシ。まあどんなに水の分量狂ったシャバシャバのカレーだとしても、余裕で美味しく食えるから俺は」
………あったね、そんなことも。
「つぐみと一緒なら、なんだっていいよ」
3ヶ月で終わった恋は、1度は休憩期間があって、それから8年の長さにまで成長して。
彼は、26歳になった桃弥くんは。
またその先の未来を今、私と誓おうとしている。
「これからも…ずっと一緒にいよう。────俺と、結婚してください」
初恋の男の子は。
親族になった来栖くんは。
未来を誓って家族になった、桃弥くんは。
涙のなかでうなずく私を抱きしめながら。
さすがに居酒屋の義兄さんよりは格好ついただろ?────と、いじわるに笑った。