家族になった来栖くんと。




「悪いんだけれど桃弥くん、つぐみのところにも持っていってあげてくれるかしら?」


「……わかりました」


「ありがとうね~。そうそう!同じ中学校だったんですってね!」


「…はい」


「ふふ。これも何かの縁よねえ~」



知らないんだ。
俺たちが付き合ってたこと。

そりゃそうだ、俺の家族だって誰ひとり知らない。


中学生なんだから親に話すわけないよなって思うけど、彼女はもしかするとって部分もあった。


そんな誰にも言えない関係を作ったのは……俺だってのに。



「あのさ、桃もらったんだけど」



ノック音に対する返事は聞かず、すぐに言う。



「…開けるよ」



何回か言っても返事がないため、俺はガチャリと開ければ。

彼女は座卓に伏せて眠っているようだった。



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