家族になった来栖くんと。
「……な……して…、の…?」
来栖くん───と。
合わさる寸前、甘い声がしびれで狂った脳を戻してくる。
ふんわり目を開けていながらも、8割は寝ぼけている顔だ。
「…なに、してんだろーね」
「………ちゅー…?」
「…うん。そう」
ちゅーって、可愛すぎんだろ。
ふにゃりと笑う白山さんは、俺が好きだった表情を簡単にしてみせた。
「ほんとにするよ?」
「…わたし……かのじょ…、ない……」
「なら……また彼女になればいいでしょ」
「………なり、たい……なあ…」
それ、ちゃんと起きてるときに言わないと意味ないんだよ。
だって明日には100%忘れてんじゃん。
俺にだけ植え付けてさ。
ほんと、いいご身分だ。
「うぅ…っ、メっ…なの…」
「…わかったから泣くなって」
すうっと、再び目は閉じる。
頬に流れる涙をすくって、しばらく俺はその寝顔を撫でるように見つめ続けていた。