家族になった来栖くんと。
「…やだ」
「………ご、め……、る…す、…くん」
そっと頬に触れてみる。
付き合ってたときですら躊躇ってできなかった。
何よりも大事にしたかったから。
こんなふうに触ってみたかった、本当は。
「確かにずっと続くなんて思ってなかったけど、続けばいいと思ってたよ……俺は」
だから、俺は同じ高校に行きたかったんだ。
もう誰にも邪魔されないところに行けば堂々と手を繋げることは絶対だったから。
振られた理由はなんとなく分かる。
たぶん、俺が裏で動いていたところをたまたま見てしまったんだと思う。
弁解できるならしたいよ。
でも、してしまった事実も事実。
「俺の初恋返せ。…ばーか」
なにしてんの、俺。
自然にほのかなピンクが染まった唇に、なんとなく誘われた。
こーいうことだってしたかったし。
とか言ったら。
白山さんがどんな顔するか、見たかったし。