家族になった来栖くんと。




「わあ……きれい…」


「…そっか。もうクリスマスか」



おなじ制服を着た生徒たちが居なくなってから手をつなぐ。

人通りの少ない道をあえて選んで、一駅分くらいなら歩く。


それが私たちのデートでもあった。


隣の駅前に立つクリスマスツリーを遠目に見て、私はどこか恥ずかしくなる。



「クリスマス…、来栖くんはいつもチキン食べる?」


「…去年、テリーヌ?だっけ」


「え?テリーヌ?」


「家族がさ、なんかそれ作ってて。…びっくりするくらいクソ不味かった」


「ふふっ。そうなんだ。テリーヌは私もあまり食べないかも…」


「やっぱ普通にチキンがいーよ」



いっしょに過ごしたいな。

思っていた言葉は案の定、なかなか言えそうになかった。



「…24日、さ。ちょうど土曜日だけど」


「う、うん…」


「24日か25日……空いてたりする?」



待ってました、と。

私は無意識にも前のめり。



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