家族になった来栖くんと。
「あっ、空いてるよ…!両方っ、今年はちゃんと空けててっ」
「空けてんの。誰のために?」
「もちろん来栖くんと一緒に過ご───、っ、ご、ごめんなさいぃ……」
自信がなくなって弱々しい声を出しながら泣きそうになる。
そんな冬の風に染まった赤い頬っぺたを、瞳を伏せながら冷たい手で包み込んでくれる来栖くん。
ぎゅっと閉じた目に、やさしい音が粉雪のように落ちてきた。
「…だから、なんで謝んの」
「……うん」
「白山さん。…じゃあ25日は家族と過ごして」
「…24日…は…」
「…俺と」
「っ!うん…!…ありがとう、うれしい」
冬に、クリスマスに、花火が上がるお祭りがあるらしい。
たくさんのかまくらにキャンドルが灯されるんだって。
特急列車を使うことになるけれど、そこならクラスメイトも居ないだろう。
もし居たとしても暗いから気づかれない、と。
それは来栖くんと初めてのデートらしいデートだった。