家族になった来栖くんと。




声を上げてしまったことで少し先にいる2人は振り返った。


わずかに開いた、来栖くんの目。

そして先輩さんの腕を振り払ってまで、圧をまとわせながらこちらに歩いてくるではないか。



「なにしてんの。こんな時間に」



それは私のセリフです。

お迎えだなんて言えないし、心配して家を飛び出してきたとも言えない。


こうなるなら、こんな場面を目にするなら、大人しくおうちに居るんだったって後悔したもん…。



「桃弥ぁ、そのコだぁれー?」



どう説明するのかな。

こんな絶望的なタイミングで鉢合わせた私を、あなたは。



「………かぞく、」


「ふーん、桃弥って妹ちゃんが居たんだ?どーも~」


「………こん…ばん、わ」



かぞく……。

これまた曖昧な表現をされた結果、妹になるというオチ。


それか来栖くんは保身に走ったのかな。

私みたいな女と関わっているのが知られることで、自分の立場が無くなるんじゃないかって怖くなったんだね。


去年のあの日だってそう。


でもね来栖くん。

私のほうが誕生日、先なのに。



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