家族になった来栖くんと。
どちらにせよ私は多くは関わらないだろうし、せめて名前を覚えてもらうことが目標だね。
「親の転勤で引っ越してきました。須和 北斗(すわ ほくと)です。よろしくどーぞ」
勝者、女子。
誰かが「えっ……やば…」と、本気トーンで戸惑いの第一声。
ここまでレベルということが予想外だったらしく、逆に女子たちは今さらになって前髪を整えはじめる。
つまり彼はやっぱり私が感じたように、女の子が惹かれる要素すべてを手に入れている系男子だったようだ。
「とりあえず時間も余ってるし、席替えの前に転校生に質問タイムとでもするか」
担任の先生が言い終わる前にさっそく挙手、女子たち。
当てられた1人は宝くじで1等が当たるよりも喜んでいるんじゃないかってくらいの、渾身のガッツポーズ。
「須和くんってもしかしてっ、芸能活動とかやってたりしますか…!?」
「え?とくには。そーいうのあんま興味なくて、流行りとかも意外と知らないタチなんですよ」
「キャー!話しちゃった…!!あっ、山野って言います!よろしくね!!」
「よろしく」