氷の王子と消えた託宣 -龍の託宣2-
そんな下世話な話をリーゼロッテの耳に入れることはない。エラはそう思っていたのだが、偶然とはいえ口を滑らせた誰かに怒りを覚えてしまう。
「お嬢様……正直申し上げて、ペーターとのことはあまり気に病んでおりません。……ひどい話ですが、わたしはそこまで彼のことを思っていなかったのだと思います」
これは嘘偽りのない正直な気持ちだ。エラにとってはペーターの仕打ちよりも、リーゼロッテと離れてしまうことの方がよほど一大事だった。
「そう……エラが傷ついていないのならいいのだけれど……でも、いつかエラの運命の人があらわれたら、わたくしにきちんと教えると約束してくれる?」
「はい、お嬢様……そのときは、必ずお伝えいたします」
力強くうなずいたエラだったが、その胸中は全く違うものだった。
(お嬢様のおそばを離れるくらいなら……わたしは一生、絶対、結婚などしない)
ペーターとは気の合う友人の延長のような感覚で、あまり深く考えることなく付き合っていた。だが、付き合いのその先に結婚が待っているとしたら、今後は考えを改めなければならないだろう。結婚して家庭に入ったら、下手をしたらリーゼロッテの元を去らなくてはならなくなる。
女として生まれてきたからには、子供が欲しいと思わないでもない。だが将来、リーゼロッテの子供の成長を見守っていけるなら、それで十分ではないか。
エラはそう結論付けて、リーゼロッテに生涯尽くそうと改めて心に誓った。
「お嬢様……正直申し上げて、ペーターとのことはあまり気に病んでおりません。……ひどい話ですが、わたしはそこまで彼のことを思っていなかったのだと思います」
これは嘘偽りのない正直な気持ちだ。エラにとってはペーターの仕打ちよりも、リーゼロッテと離れてしまうことの方がよほど一大事だった。
「そう……エラが傷ついていないのならいいのだけれど……でも、いつかエラの運命の人があらわれたら、わたくしにきちんと教えると約束してくれる?」
「はい、お嬢様……そのときは、必ずお伝えいたします」
力強くうなずいたエラだったが、その胸中は全く違うものだった。
(お嬢様のおそばを離れるくらいなら……わたしは一生、絶対、結婚などしない)
ペーターとは気の合う友人の延長のような感覚で、あまり深く考えることなく付き合っていた。だが、付き合いのその先に結婚が待っているとしたら、今後は考えを改めなければならないだろう。結婚して家庭に入ったら、下手をしたらリーゼロッテの元を去らなくてはならなくなる。
女として生まれてきたからには、子供が欲しいと思わないでもない。だが将来、リーゼロッテの子供の成長を見守っていけるなら、それで十分ではないか。
エラはそう結論付けて、リーゼロッテに生涯尽くそうと改めて心に誓った。