氷の王子と消えた託宣 -龍の託宣2-
「もしかしてお嬢様……ペーターとのことをお聞きになられたのですか……?」
伏せられた緑の瞳は肯定をあらわしていた。リーゼロッテは何かを言いかけて、言葉にならないままその唇を小さくかんだ。
ペーターはダーミッシュ家の庭師のひとりだ。そのペーターとエラは付き合っていたのだが、最近ふたりは別れてしまったらしい。そんな使用人のおしゃべりを、偶然リーゼロッテは聞いてしまった。
エラはリーゼロッテの王城や公爵家の滞在に、長い間ずっと付き添っていた。恋人とのすれ違いが生じたのなら、そのせいだと考えるのが妥当だろう。
「ごめんなさい……みなが話しているのを偶然聞いてしまって……」
「違います! あれは決してお嬢様のせいでは……!」
確かにペーターに交際を申し込まれた直後に王城滞在に突入した。だが、一か月後にはダーミッシュ領に戻ってきたし、その後、公爵領で過ごしている間も手紙でのやり取りはずっとしていたのだ。
しかし、今回エラの母親が倒れて予定外でダーミッシュ領に戻ってきてみれば、ペーターと別の女性の間に子供ができていた。しかもその女性はもう臨月だというから驚きだ。
その女性と別れた後に妊娠が発覚したならまだしも、ペーターはエラとその女性と同時進行だったらしい。
こうなればエラの方が浮気相手だったとみるしかないだろう。しかしエラとペーターは、ダーミッシュ家の使用人たち公認で付き合っていたため、エラに同情の声が集まっているというのが今の状況だ。
伏せられた緑の瞳は肯定をあらわしていた。リーゼロッテは何かを言いかけて、言葉にならないままその唇を小さくかんだ。
ペーターはダーミッシュ家の庭師のひとりだ。そのペーターとエラは付き合っていたのだが、最近ふたりは別れてしまったらしい。そんな使用人のおしゃべりを、偶然リーゼロッテは聞いてしまった。
エラはリーゼロッテの王城や公爵家の滞在に、長い間ずっと付き添っていた。恋人とのすれ違いが生じたのなら、そのせいだと考えるのが妥当だろう。
「ごめんなさい……みなが話しているのを偶然聞いてしまって……」
「違います! あれは決してお嬢様のせいでは……!」
確かにペーターに交際を申し込まれた直後に王城滞在に突入した。だが、一か月後にはダーミッシュ領に戻ってきたし、その後、公爵領で過ごしている間も手紙でのやり取りはずっとしていたのだ。
しかし、今回エラの母親が倒れて予定外でダーミッシュ領に戻ってきてみれば、ペーターと別の女性の間に子供ができていた。しかもその女性はもう臨月だというから驚きだ。
その女性と別れた後に妊娠が発覚したならまだしも、ペーターはエラとその女性と同時進行だったらしい。
こうなればエラの方が浮気相手だったとみるしかないだろう。しかしエラとペーターは、ダーミッシュ家の使用人たち公認で付き合っていたため、エラに同情の声が集まっているというのが今の状況だ。