氷の王子と消えた託宣 -龍の託宣2-
「わたくしね、公爵様に大事にされているリーゼロッテがずっとうらやましかったの」
「ジークヴァルト様はわたくしが託宣の相手だから、責任感でやさしくしてくださっているのよ。でも、王子殿下とアンネマリーは両思いだもの。よほどアンネマリーの方がうらやましく思えるわ」
「え? でも……」
アンネマリーの目から見て、リーゼロッテへの公爵の執着ぶりは相当なものだった。それは義務感に駆られているとは到底思えない。しかし、リーゼロッテは本気でそう思っているようだ。
「ねえ、アンネマリーは体のどこにも龍のあざはないって言っていたでしょう? だから、わたくしそれが不思議で……」
「それが髪の奥にあったらしいの」
アンネマリーは自分の後頭部に手を添えた。ここにハインリヒの託宣の相手の証であるあざがある。ハインリヒが触れると、体が耐え難いほどの熱を帯びる場所だ。そのことを思い出すと自然と頬が朱に染まった。
「そんなところに隠れていたなんて! アンネマリーは赤ちゃんの頃から髪がふさふさだったから、それで見つからなかったのね」
その言葉にアンネマリーは悲しそうな顔をした。自分に龍のあざがあると初めから分かっていたなら、ハインリヒはあんなにもつらい思いをすることはなかったはずだ。そう思うと、この扱いづらい髪が余計に嫌になって来る。
「そうそう、アンネマリーは異形の者の話は聞いたのかしら?」
「ええ……いまだに信じ切れていないのだけれど……」
「アンネマリーは無知なる者だものね。視えない存在なんて信じられないのも無理ないわ」
軽く肩をすくませるリーゼロッテは、ハインリヒ同様異形が視えるらしい。そのこともうらやましく感じてしまう。
「視えないのがわたくし悔しいわ」
「ふふ、アンネマリーもエラと同じようなことを言うのね」
「だって、少しでもハインリヒ様のお力になりたくて……」
「アンネマリー……本当にとっても綺麗になったわ。王子殿下に愛されているのね」
そんなアンネマリーを見て、リーゼロッテは眩しそうに目を細めた。
「ジークヴァルト様はわたくしが託宣の相手だから、責任感でやさしくしてくださっているのよ。でも、王子殿下とアンネマリーは両思いだもの。よほどアンネマリーの方がうらやましく思えるわ」
「え? でも……」
アンネマリーの目から見て、リーゼロッテへの公爵の執着ぶりは相当なものだった。それは義務感に駆られているとは到底思えない。しかし、リーゼロッテは本気でそう思っているようだ。
「ねえ、アンネマリーは体のどこにも龍のあざはないって言っていたでしょう? だから、わたくしそれが不思議で……」
「それが髪の奥にあったらしいの」
アンネマリーは自分の後頭部に手を添えた。ここにハインリヒの託宣の相手の証であるあざがある。ハインリヒが触れると、体が耐え難いほどの熱を帯びる場所だ。そのことを思い出すと自然と頬が朱に染まった。
「そんなところに隠れていたなんて! アンネマリーは赤ちゃんの頃から髪がふさふさだったから、それで見つからなかったのね」
その言葉にアンネマリーは悲しそうな顔をした。自分に龍のあざがあると初めから分かっていたなら、ハインリヒはあんなにもつらい思いをすることはなかったはずだ。そう思うと、この扱いづらい髪が余計に嫌になって来る。
「そうそう、アンネマリーは異形の者の話は聞いたのかしら?」
「ええ……いまだに信じ切れていないのだけれど……」
「アンネマリーは無知なる者だものね。視えない存在なんて信じられないのも無理ないわ」
軽く肩をすくませるリーゼロッテは、ハインリヒ同様異形が視えるらしい。そのこともうらやましく感じてしまう。
「視えないのがわたくし悔しいわ」
「ふふ、アンネマリーもエラと同じようなことを言うのね」
「だって、少しでもハインリヒ様のお力になりたくて……」
「アンネマリー……本当にとっても綺麗になったわ。王子殿下に愛されているのね」
そんなアンネマリーを見て、リーゼロッテは眩しそうに目を細めた。