氷の王子と消えた託宣 -龍の託宣2-
禁断のコールド・ローズ・ガーデン、略して禁断のKRG。
コールドだからCRGだろという突っ込みはあったものの、なぜかその通称が世に定着してしまった。日本独特の現象といえるだろう。
発売前に大きな話題となったのは、まずは過激な乙女ゲームを連発する新進気鋭の運営会社による新作ゲームであったこと。
次に、事前発表のイラストが美しくキャラたちもイケメンぞろいで、世の乙女たちの心をくすぐったこと。
そして、なんといってもCVに起用されたのが、今を時めく豪華声優陣そろい踏みだったからだ。
しかも台詞はオープニングからエンディングまで完全フルボイス、「お前」とか「あんた」ではなく、登録した名前が違和感なく再生される仕様で、自分の名前でプレイすれば、好きな声優に愛をささやかれているかのごとくプレイできるのも売りだった。
一般的な乙女ゲームよりもかなり高額だったが、ソフトを購入すれば追課金なしとくれば、買わない手はないだろう。
その前評判に飛びついて、わたしも即予約し、手にしたその日から徹夜してプレイした口だった。
しかし禁断のKRGは、開けてビックリな18禁乙女ゲームだった。
まずメインヒーローは弟、ブラオエルシュタイン王太子であるハインリヒだ。義理の弟ではない、血のつながった実の弟だ。
メインヒーローがいきなり近親相姦などと運営は狂っているのか。世の乙女たちはざわついた。美しいスチルと共に展開されていくめくるめく禁断のラブストーリー。
そう、この乙女ゲームは禁断の愛だらけの異常なゲームだったのだ。
その他の攻略対象は、ハインリヒの幼馴染の公爵ジークヴァルト、近衛騎士のカイ、伯爵家の跡継ぎのルカ、実の叔父である王兄バルバナス、ジークヴァルトの従者であるマテアスだ。そして、特別なエンディングを迎えた後にのみ解放される、隠しキャラがもうひとり存在していた。
わたしは逡巡した。この世界が本当に禁断のKRGだったとして、どのルートに進むべきなのか……。
コールドだからCRGだろという突っ込みはあったものの、なぜかその通称が世に定着してしまった。日本独特の現象といえるだろう。
発売前に大きな話題となったのは、まずは過激な乙女ゲームを連発する新進気鋭の運営会社による新作ゲームであったこと。
次に、事前発表のイラストが美しくキャラたちもイケメンぞろいで、世の乙女たちの心をくすぐったこと。
そして、なんといってもCVに起用されたのが、今を時めく豪華声優陣そろい踏みだったからだ。
しかも台詞はオープニングからエンディングまで完全フルボイス、「お前」とか「あんた」ではなく、登録した名前が違和感なく再生される仕様で、自分の名前でプレイすれば、好きな声優に愛をささやかれているかのごとくプレイできるのも売りだった。
一般的な乙女ゲームよりもかなり高額だったが、ソフトを購入すれば追課金なしとくれば、買わない手はないだろう。
その前評判に飛びついて、わたしも即予約し、手にしたその日から徹夜してプレイした口だった。
しかし禁断のKRGは、開けてビックリな18禁乙女ゲームだった。
まずメインヒーローは弟、ブラオエルシュタイン王太子であるハインリヒだ。義理の弟ではない、血のつながった実の弟だ。
メインヒーローがいきなり近親相姦などと運営は狂っているのか。世の乙女たちはざわついた。美しいスチルと共に展開されていくめくるめく禁断のラブストーリー。
そう、この乙女ゲームは禁断の愛だらけの異常なゲームだったのだ。
その他の攻略対象は、ハインリヒの幼馴染の公爵ジークヴァルト、近衛騎士のカイ、伯爵家の跡継ぎのルカ、実の叔父である王兄バルバナス、ジークヴァルトの従者であるマテアスだ。そして、特別なエンディングを迎えた後にのみ解放される、隠しキャラがもうひとり存在していた。
わたしは逡巡した。この世界が本当に禁断のKRGだったとして、どのルートに進むべきなのか……。