氷の王子と消えた託宣 -龍の託宣2-
笑顔でマテアスを見上げたリーゼロッテは、マテアスが呆然と固まっていることにようやくそこで気がついた。
「あ……もちろんマテアスの淹れる紅茶もおいしいわ。……本当よ?」
「……ありがとうございます、リーゼロッテ様。わたしもまだまだ精進せねばならないということですね」
「いえ、だから、本当にマテアスの紅茶も……」
「ええ、重々承知いたしております。このマテアス、久々に燃えてまいりました」
(朴念仁のヴァルト様には、もっと、もっと、リーゼロッテ様のお心をがっちりつかんでいただかなくては!!)
静かに笑みをたたえるマテアスが、なぜだろう。ちょっと怖い。
「ですが、少々困りましたね。我が主はリーゼロッテ様のお願いを聞く気満々でいるようでしたので……」
そう言ってマテアスが眉を下げる。
(むしろそれだけを活力に、しぶしぶ王城へ出仕されていましたからねぇ)
「まあ、そうなのね。お時間を取っていただきたいとわたくしがお願いしたのに、やっぱりもういいですと言うのはあまりにも非礼よね……」
「いえ、そうは申しましても、主はリーゼロッテ様とご一緒に過ごせるだけでも十分ですから」
「でもそのようなわけには……」
「でしたら何か他に、旦那様におねだりなさりたいことはございませんか?」
他におねだり、と言われてリーゼロッテはこてんと首をかしげた。もともとの頼み事はおねだりとかそういうものではなかったのだが、マテアスの中ではなんだかそういう方向へ行ってしまっているようだ。
「そうね……でも、おねだりと言われても……」
しばし考え込んだ後、リーゼロッテはマテアスの顔をじっとみつめた。
「贈り物の回数を減らしていただくというのは……?」
「無理でございます」
「……では、あーんは人目のないところで」
「使用人の日々の活力ために、そんな無体なことはおっしゃらないでください」
「日々の活力……? よくわからないのだけれど……だったら、久しぶりにジョンに会いに行くのは……」
「まだ許可はお出しかねますねぇ」
「……じゃあ、白の夜会でわたくしとダンスを踊ってくださるよう、ジークヴァルト様にお願いするというのはどうかしら……?」
「婚約者である旦那様と踊られるのは当然のことですし、むしろ旦那様以外の方とは踊らないでいただきたいのですが」
「…………それなら、一度だけでもいいから、ヴァルト様とお食事をご一緒したいわ」
「あ……もちろんマテアスの淹れる紅茶もおいしいわ。……本当よ?」
「……ありがとうございます、リーゼロッテ様。わたしもまだまだ精進せねばならないということですね」
「いえ、だから、本当にマテアスの紅茶も……」
「ええ、重々承知いたしております。このマテアス、久々に燃えてまいりました」
(朴念仁のヴァルト様には、もっと、もっと、リーゼロッテ様のお心をがっちりつかんでいただかなくては!!)
静かに笑みをたたえるマテアスが、なぜだろう。ちょっと怖い。
「ですが、少々困りましたね。我が主はリーゼロッテ様のお願いを聞く気満々でいるようでしたので……」
そう言ってマテアスが眉を下げる。
(むしろそれだけを活力に、しぶしぶ王城へ出仕されていましたからねぇ)
「まあ、そうなのね。お時間を取っていただきたいとわたくしがお願いしたのに、やっぱりもういいですと言うのはあまりにも非礼よね……」
「いえ、そうは申しましても、主はリーゼロッテ様とご一緒に過ごせるだけでも十分ですから」
「でもそのようなわけには……」
「でしたら何か他に、旦那様におねだりなさりたいことはございませんか?」
他におねだり、と言われてリーゼロッテはこてんと首をかしげた。もともとの頼み事はおねだりとかそういうものではなかったのだが、マテアスの中ではなんだかそういう方向へ行ってしまっているようだ。
「そうね……でも、おねだりと言われても……」
しばし考え込んだ後、リーゼロッテはマテアスの顔をじっとみつめた。
「贈り物の回数を減らしていただくというのは……?」
「無理でございます」
「……では、あーんは人目のないところで」
「使用人の日々の活力ために、そんな無体なことはおっしゃらないでください」
「日々の活力……? よくわからないのだけれど……だったら、久しぶりにジョンに会いに行くのは……」
「まだ許可はお出しかねますねぇ」
「……じゃあ、白の夜会でわたくしとダンスを踊ってくださるよう、ジークヴァルト様にお願いするというのはどうかしら……?」
「婚約者である旦那様と踊られるのは当然のことですし、むしろ旦那様以外の方とは踊らないでいただきたいのですが」
「…………それなら、一度だけでもいいから、ヴァルト様とお食事をご一緒したいわ」