【コンテスト用短編作品】すれ違いだらけの婚約関係は、3年越しのファーストキスでやり直しましょう ~御曹司である婚約者が嫉妬深いなんて聞いてません!!~
先に話を切り出したのは、高見さんだった。
「俺は、義務で君と向き合っているわけではない」
「え、?」
「…あまりにも君が俺に興味なさそうだから、ちょっとでも気を引けたらって思った」
その言葉は、予想外のものだった。
「今回の1週間の休暇は、君と向き合うための時間に使おうと思っていたんだ。3年も放っておいたくせに何を今更、と思うかもしれないが、ようやく大型プロジェクトにキリがついたんだ」
「じゃ、…じゃあ、私に興味がないわけじゃないんですか?」
「興味がない?そんなわけないだろう」
高見さんは小さく笑うものの、私からは気まずそうに視線を逸らしてしまう。
その行動は、高見さんが罪悪感を感じていることを、惜しげもなく表していた。
「本当は話したいことも沢山あったが、君はいつも忙しそうに自室に戻ってしまうから……ほら、雑談のために追うのも変だろう」
もしかして、
いや、もしかしなくても、高見さんが私に興味なかったのではなく、私が高見さんに興味がなかった、だけ?
彼はずっと私と向き合おうと頑張ってくれていたのではないか。
興味がなかったのも、避けていたのも、苦手意識を持っていたのも、
___全て私だ。