貴女だけが、私を愚かな男にした 〜硬派な彼の秘めた熱情〜
クリスマス・イブ
休日の朝、詩乃は手早く毎朝のルーティンを終わらせていた。
トーストとスープの簡単な朝食をとり、身支度をしてざっとスキンケアをし、窓を開けて軽い体操をする。
もうすぐクリスマスだ。
詩乃のスマートフォンにも、色々なお誘いの連絡が舞い込んでいた。
冬の澄み切った空気を十分に吸ったら、何件か連絡が溜まっているメッセージアプリを開く。
ここ数年で遠退いていた友達付き合いも、転職してからはまたこまめにやりとり出来るようになっている。
定時のあとに時間があるって、なんて贅沢なんだろう。
詩乃はうきうきしながら、メッセージアプリを開いた。
大学時代に仲が良かったグループのクリスマスパーティーのお誘い、前職の他部署に配属された同期からのお誘い。
どれも嬉しいが、全部に出席することは出来ない。
誰になんて返そう、と、頭を悩ませ始めたそのとき。