貴女だけが、私を愚かな男にした 〜硬派な彼の秘めた熱情〜
もしかして本当に、明人は告白してくれるつもりなのかもしれない……なんて。
でもこのやりとりだけ見ると、この日がクリスマスイブだということを忘れているようにすら見える。
明人なら、それでも不思議ではない。
いかにもイベント事には興味がなさそうだし。
ということはやっぱり、明人は自分のことなんて、完全にただの女友達だと思っているのかもしれない。
「んもう……どうしたらいいの、わたしっ」
それでも、期待に頬は緩み切ってしまう。
ともかく、クリスマスイブにお出掛けすることには変わりないのだ。
今日は繁華街に出て、明人へのプレゼントを買いに行こう。
空を飛ぶようなうきうきした気持ちで、詩乃はさっそく支度を始めた。