貴女だけが、私を愚かな男にした 〜硬派な彼の秘めた熱情〜
「ところで! わたし、聞きたいことがあったんだ」
「はい、なんでしょう」
「明人くん、前に、仕事以外に楽しみがあるって言ってたでしょ?」
覚えていたのか、と、明人は思った。
「あれ、ずっと気になってたんだ」
詩乃の目が、好奇心でキラキラしている。
あまり人には言っていないのだが、彼女になら教えてもいいだろう。
「小説を書いています」
詩乃が、目を見張った。
まさか、明人が物語を創作しているなんて。
意外な一面に、がぜん興味が湧く。
「すごい。どんなのを書いてるの?」
前のめりになる詩乃。
あまりに見たそうなので、明人は鞄からタブレットを取り出した。
「たいしたものではないですが」
ネット上で閲覧出来る、自分の作品一覧を表示する。
そのうちのひとつを、適当に開いて見せた。