ここまでコケにされたのだから、そろそろ反撃しても許されますわよね?
「うるさいっ、俺に指図するな!」
口をつぐんだ家令に、ポールは帳簿を突き返して来た。
「ポール・シュナイダー公爵が命じる。橋の架け替え事業は中止しろ。これは決定事項だ」
「……かしこまりました」
失望と怒りに打ち震えながらも、家令は恭しく頭を下げた。
♱ ♱ ♱
それから一か月も経たないうちに、民衆から不平不満があがるようになってきた。
以前のように領主に嘆願書を送っても、そのほとんどが碌に返事のないまま放置され続けている。
領民の生活に寄り添っていた役場も、領主の命令だからと横暴な態度が目立つようになった。
役場と領民との間でいざこざが起こるのも日常と化して来た。
それでも領主は動かない。
ほんの少し前までだったら、こんな事態はあり得なかった。
シュナイダー公爵は領民にとって、とてもできた人物だった。
常に民衆の声に耳を傾け、領民が暮らしやすいように取り計らってくれる。
誰もがシュナイダー領で暮らせることを誇りに思っていたくらいだ。
それが今や無法地帯だ。
徐々に上げられる税金に、失われる雇用、住む場所を無くす者も増えてきた。
中心街も荒れ放題で、全盛期の見る影もなくなっている。
この先どうなってしまうのかと、領民の間に暗い影は益々広がりを見せていった。
不安で何もできない者、他領へと逃げ出す者、自分だけが助かろうと他者を貶める者。
そんな中、蜂起する者も出始めた。
その数と規模は、日々増し続けている。
それなのにポールは相変わらずライラの散財を笑って許していた。
家令がいくら進言しても聞く耳を持たない。
そればかりか見当違いな指示を出し続け、現場はますます混乱に陥っていた。
「旦那様、我が領は内乱寸前でございます。ここで動かなければ財源確保どころの話ではなくなります」
さすがの家令も強めの諫言を言わざるを得なかった。
ポールを見限った多くの者が領地経営の場から去っている現状だ。
口をつぐんだ家令に、ポールは帳簿を突き返して来た。
「ポール・シュナイダー公爵が命じる。橋の架け替え事業は中止しろ。これは決定事項だ」
「……かしこまりました」
失望と怒りに打ち震えながらも、家令は恭しく頭を下げた。
♱ ♱ ♱
それから一か月も経たないうちに、民衆から不平不満があがるようになってきた。
以前のように領主に嘆願書を送っても、そのほとんどが碌に返事のないまま放置され続けている。
領民の生活に寄り添っていた役場も、領主の命令だからと横暴な態度が目立つようになった。
役場と領民との間でいざこざが起こるのも日常と化して来た。
それでも領主は動かない。
ほんの少し前までだったら、こんな事態はあり得なかった。
シュナイダー公爵は領民にとって、とてもできた人物だった。
常に民衆の声に耳を傾け、領民が暮らしやすいように取り計らってくれる。
誰もがシュナイダー領で暮らせることを誇りに思っていたくらいだ。
それが今や無法地帯だ。
徐々に上げられる税金に、失われる雇用、住む場所を無くす者も増えてきた。
中心街も荒れ放題で、全盛期の見る影もなくなっている。
この先どうなってしまうのかと、領民の間に暗い影は益々広がりを見せていった。
不安で何もできない者、他領へと逃げ出す者、自分だけが助かろうと他者を貶める者。
そんな中、蜂起する者も出始めた。
その数と規模は、日々増し続けている。
それなのにポールは相変わらずライラの散財を笑って許していた。
家令がいくら進言しても聞く耳を持たない。
そればかりか見当違いな指示を出し続け、現場はますます混乱に陥っていた。
「旦那様、我が領は内乱寸前でございます。ここで動かなければ財源確保どころの話ではなくなります」
さすがの家令も強めの諫言を言わざるを得なかった。
ポールを見限った多くの者が領地経営の場から去っている現状だ。