ここまでコケにされたのだから、そろそろ反撃しても許されますわよね?
「再三にわたり王位を継げと言っておるのだが。こやつは一向に首を縦に振らぬ」
「まぁ、エドガーが国王に?」
「もう勘弁してください。俺はシュミット侯爵家とアンドレアを守るので手いっぱいだと、何度言えば分かっていただけるんですか」

 困り果てているエドガーを見る限り、祖父は冗談で言っているわけではないようだ。

「でもお爺様、エドガーの王位継承権は七位でしたわよね。他の方たちはどうなさったの?」
「全員が全員辞退しおったわ。わしがポールに下した処罰に尻込みしての。情けないことに、調べられたら痛い腹があるようじゃ。王位に就くにあたって身辺調査は必須だからのう」
「では、俺もそんな感じでお願いします」
「お主ほど正攻法に(こだわ)る人間はそうはおらぬぞ?」
「ぐっ」

 探られても腹が痛まないのはエドガーくらいしかいないらしい。
 祖父の諦めが悪くなるのも仕方ないといえそうだ。

「ですが俺は帝王学を学んでいません。国をまとめ上げる器ではありませんよ」
「お爺様の下でこれから学べばいいじゃない。シュミット家はわたくしに任せてくれればいいのだし」
「アンドレアまで何を言い出すんだ……」

 どんどん怪しくなる雲行きに、エドガーの顔色までも怪しい色になってくる。

「ふむ、それも一案だが……いっそのことアンドレア、お前が王座に就くというのはどうだ?」
「わたくしが?」
「我が国初の女王誕生だ。どうだ、悪くなかろう?」
「絶対に駄目ですっ、そんなこと!」
「まぁ、なんだか楽しそう。国を治めるだなんて、領地経営よりもずっとやり甲斐がありそうですわ」
「うわぁ、勘弁してくれ、アンドレア!!」
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